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【夏休みの読書】成績が上がるかも?受験生におすすめの歴史小説

2020/08/14
【受験情報・勉強法】
夏休みと言えば読書…!ですが、ただでさえ短い2020年の夏休み。時間をムダにしないよう、狙いすました一冊を選びたいものです。今回は日本史分野と世界史分野から、面白くてタメになる小説または物語(小説とノンフィクションの中間)を、それぞれ一冊ずつご紹介しますね。

でもその前に、読書に関する私の持論を少しだけ聞いてください…!

最近別記事に「通学中くらいはオフラインになって読書でもしてほしかったので、高校在学中はスマホを与えなかった」といった内容のことを書きました。


読書でもしてほしいな…とただ思っていただけではありません。実際に文庫本を色々買い漁り、私自身がまず読んでみたうえで、オススメの本を i 推薦図書として ii に貸し与えていました。

※ i マークワン。時々ぼくのブログ内呼称。
※ ii マークツー。ぼくの子どものブログ内呼称。

読んだ本のページ数=小遣いというシステムを採用していたので、i 推薦図書はそのページ数と共にリストとして今も残っています。リストを見返してみると、中高6年間で136冊読んでいるようです。ちょっとこれは…と思うものはどんどん除外したので、私自身はもっとたくさんの本を読んでいることになります。

図書評価基準


i 推薦図書評価基準は、だいたい4つですね。

1. R15/R18な内容が含まれないこと

家族でリビングで映画、特に洋画を見ていて、R15/R18なシーンが出てきてめちゃめちゃ気まずくなったことないですか。

本にも同じことが言えます。もちろん一緒に読むわけではありませんが、i 推薦図書は私と ii が時間差で読むわけで、ある意味一緒に読んでいることになります。なのでR15/R18な内容が含まれる本は渡しません。気まずいから。ただそれだけの理由です。

以前国内線の飛行機に乗っていて、お母さんが小学生くらいの息子さん?に萩原浩の「オイアウエ漂流記」を読ませているのを見かけたことがあります。「オイアウエ漂流記」は遭難・サバイバルもの小説です。

萩原浩「オイアウエ漂流記」

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直木賞作家萩原浩の作品の中でも特に面白い傑作の一つではありますが…お母さん、自分自身は読んでないんだろうなぁ、と思った記憶があります。

「R15/R18なシーンあるからね、オイアウエは」

R15/R18な内容が含まれている本は、どんなに面白くてもスタメン入りすることはなく、いつの日かの出番を待って本棚で熟成されることになります…。

2. その年齢にふさわしい内容であること

先日森下典子さんの好著「日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ」を楽しく読ませていただきました。その中で著者が「世の中には「すぐわかるもの」と「すぐにわからないもの」がある」という趣旨のことを、若い頃あまり面白いと思えなかったフェリーニの映画「」が、年齢を重ねてから再び見たらものすごくよくわかり随所で涙が溢れた…という経験を例に、わかりやすく語っておられます。

森下典子「日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ」



私もませガキだったので、小学生の時にジョイスの「ユリシーズ」を図書館で借りて来て読んでしまったことがあります。もちろんちんぷんかんぷんでした。大人になってから読めばまた違ったであろうに…。

「小学生に読まれたジョイスは不憫やわ」

私が面白くても、ii の年齢では面白くないのでは?と思った本もまた、本棚で熟成されることになります…。

3. 面白いか

ここでやっと、面白いか?という当たり前の評価基準登場です。

4. タメになるか?

この「タメになるか?」という基準は、オマケというかタイブレーカーです。例えば基準1と2を満たしていて、基準3の面白さも同程度なら、どうせならタメになるほうを選ぼう…というわけで、SFよりも歴史小説が選ばれたりすることになります。

受験生への、夏休みの読書オススメの一冊


1. 歴史小説がいいが…

受験生にタメになる本というと歴史ものになると思います。しかしほとんどの歴史小説は、戦国時代か幕末のどちらかが舞台です。この二つは、歴史小説の助けを借りるまでもないでしょう。

受験生におすすめできるタメになる歴史小説は、実はなかなかないんですよねぇ。徳川でも、家康ばかりではなくて、もうちょっと渋いところを取り上げてくれると、勉強になるんですが…。

「そうそう家綱とか綱吉とか」
「って需要ないわ ww」

長々とここまでお付き合いいただきありがとうございます。結局、受験生の夏休みの読書に今回おすすめするのはコレ!短くて貴重な今年の夏休みの読書ガイドになれば幸いです!

2. 日本史分野:城山三郎「雄気堂々」

日本史分野からは、新一万円札の顔になることが決まっている明治経済人・渋沢栄一の生涯を描いた、城山三郎の「雄気堂々」です。

城山三郎「雄気堂々(上)(下)」




山川日本史B教科書でも取り上げられている国立銀行、日本郵船、大阪紡績会社などなどの設立〜経営が、スリリングに描かれています。ドラマ「半沢直樹」を彷彿させます。面白くもなんともなくて憶えにくい明治近代経済史分野に、記憶の軸を作ることができる良書だと思ってます。

3. 世界史分野:ツヴァイク「人類の星の時間」

世界史分野だと、ツヴァイクの「人類の星の時間」がおすすめです!コンスタンチノープル陥落等、世界史の十二の劇的(悲劇的)な大事件を描いた物語集です(小説ではありません)。

ツヴアイク「人類の星の時間」



十二大事件の一つですけど。昔のアメリカ大西部に突如として巻き起こったゴールドラッシュは、もともとたった一人の男の土地から始まったことをご存じですか?この男がどれほど悲惨な目に遭うか…!世界史は「事実は小説より奇なり」を地でいく悲劇にあふれています…。


今日はこのへんで。