アレックス・スコットと「アレックスのレモネードスタンド財団」このエピソード大好き
2022/07/16
アレックス・スコットと「アレックスのレモネードスタンド財団」
アレックス・スコットは、アメリカの少年です(故人)。アレックス君は、物心ついた時からずっと病気でした。神経芽腫という小児がんの一種だったのです。そんなアレックス君が4歳になってお母さんに言った言葉が、「退院したら、レモネードの売店(スタンド) をやりたいの」でした。
アレックス君は実際にこれを実現し、5歳になる前にレモネードスタンドを開店します。そこで稼いだ2,000ドル(約20万円)を、アレックス君は「まわりの子たちに助けてもらったから、みんなを助けてください」と、病院に寄付します。
4年後にアレックス君は亡くなりますが、アレックス君の行動に触発され奮起した人々がレモネードスタンドを次々に開店し、寄付金総額はやがて100万ドル(約1億円)に達します。
やがてアレックス君の意思を継いで遺族が設立したのが「アレックスのレモネードスタンド財団」で、がん研究のために、今日に到るまでに1億ドル(100億円) 以上もの寄付を行なっているそうです。
「GRIT やり抜く力」アンジェラ・ダックワース
上述のアレックス・スコットと「アレックスのレモネードスタンド財団」のエピソードは、今週読んだアンジェラ・ダックワース「GRIT やり抜く力」で読みました。
アレックス君は「やり抜く力」の幼くしての鉄人として登場します。アレックス君のエピソードは、「やり抜く力」は、行なっていることに「目的」があり、その目的が「人の役に立っている」という思いが強いほど強まる、という好例として紹介されています。
「やり抜く力」を外側から伸ばす
この本では、才能ではなく「やり抜く力」こそが重要であることの心理学的・社会科学的な研究結果、自分自身の「やり抜く力」を伸ばす方法、そして他者の「やり抜く力」を伸ばす方法、という3部構成になっています。
特に第3部「「やり抜く力」を外側から伸ばす」は、親が子どもの「やり抜く力」を伸ばすための、大変参考になる知見がたくさん収録されています。
私が特に興味深いと思った点をいくつかご紹介します。
"parent"
英語の"parent" (ペアレント) という語はラテン語に由来し、「引き出す」という意味を持つそうです。ペアレントは、子どもの興味をうまく引き出し、自分から進んで練習や勉学に励み、目的に向かって希望を失わずに進んで行くよう導く者であるべきなのです。
子育ての「4つのパターン」
要求が厳しい | あまり要求しない | |
---|---|---|
支援を惜しまない | 賢明な育て方 | 寛容な育て方 |
支援しない | 独裁的な育て方 | 怠慢な育て方 |
この中で「怠慢な育て方」が最も有害だということです。
「やり抜く力」を妨げるほめ方、伸ばすほめ方
才能に結びつけてほめるのは「やり抜く力」を妨げ、努力を強調してほめるのは「やり抜く力」を伸ばすようです。
悪い例1:すばらしい!君には才能があるね!
良い例1:すばらしい!よく頑張ったね!
悪い例2:これは難しいね。できなくても気にしなくていいよ。
良い例2:これは難しいね。すぐにできなくても気にしなくていいよ。
などなど。
よかったら、お読みになってみてください。