i の大学受験・進学情報

インターンシップ、就活と「アイデア泥棒」

2022/08/21
その他
ii も大学3年生になり、今年の夏休みはいくつもの企業のインターンシップに応募・参加しています。
応募の際にはいわゆるエントリーシート(ES)を提出するわけですが、その様子を見たり内容の添削を行ったりしていて本当にその通りだなぁと思ったのが、以下の記事です。

『「アイデア泥棒ではないか」就活生から企業に向けて怒りや不満の声が漏れるワケ』日刊ゲンダイ


https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/309707
この記事では、企業に対する学生の、以下のような内容の不満・怒りが紹介されています。

民放テレビ局の新卒募集のエントリーの事例


エントリシートの設問の一つが、『あなただったら、誰を主人公に、どういう筋書きのドラマを企画しますか』というもの。

一生懸命考えてアイデアをひねり出したが、これは本来局内で働いている人が考える話のはず。おかしくないか。

大手デベロッパーの1次選考後の、グループディスカッションの事例


事前に与えられた課題が『東京都内で今、再開発ビルを建てるとしたら、どのエリアに何階建てのビルを作るのか。1日の集客数はどのくらいを見込むのか?』というもの。

グループで考え、何とかプレゼンしたが、入社が決まったわけでもない私たちに問う内容なのか。

大手菓子メーカーのインターンに参加するためのエントリーシートの事例


設問の一つが『当社商品の中から好きな菓子を選び、改善点や改良点を答えて、かつ販売戦略を考えなさい』というもの。

これは開発部門の社員が考えることではないか。アイデアが採用されたら内定というのであればともかく、内定どころかインターンに参加できるのかも分からない段階での知恵出し。学生のアイデアをタダで盗んでいるのではと疑問を感じた。

日刊ゲンダイは「こういう採用手法は就活生の疑念や不安を拡大するだけ。せめて、本採用が決まった後で、参考として問うべき話ではないか」と結んでいます。

ii や i が経験したこと


ii がインターンシップに応募したとある企業のエントリーシートにも、同様の設問がありました。CMでおなじみの、日本の有名家具メーカー〇〇〇です。設問内容は「当社を全否定しなさい」という内容で400字程度で記述させるというもの。

ユーザ向けのアンケートと異なり、就活生はインターンシップに参加させてほしいので、このような設問を与えられたら全力で知恵を振り絞って〇〇〇の改善点を書こうとするでしょう。経営方針、商品展開、品質、サービス、店舗、スタッフ。あらゆる側面から、〇〇〇の改善すべき点について、真剣に考え抜かれた意見が手に入るでしょう。

インターンシップ生や内定者に問うのならまだ理解できますが、インターンシップに参加できるかすらわからない状態で、学生からアイディアをただ取りするわけで。正直「セコイ会社だな…」と企業の品格に対する疑問を感じたものです。

まったく話が飛びますが、昔、経済学の大学教授で、単位取得に必要なレポートや期末試験のテイで、政策アイディアを学生に提出させていた人がいたことを思い出しました。政策通で、後に小泉政権で大臣も務めた人物です。当時既に「ホワイトハウスにも出入りできる、気鋭の日本人経済学者」として講義は大人気で、数百人の学生が彼の講義を取っていました。一部の学生は「あやしいな。アイディアを取ろうとしているんじゃないか」とささやいていましたね。