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大学入学までにいま準備するべき事(2)。読書のススメー2019(1)。ユヴァル・ノア・ハラリの「サピエンス全史」

2020/03/28
【新入学生向け記事】
大学入学が決まった皆さんは、入学までの春休みをどのように過ごしていますか?受験生時代遊べなかった分、入学まで遊びまくるぞ!とはいえ高い授業料を親に支払ってもらうのだから、大学が始まったら真面目に勉強しよう。と思っていたら、コロナの影響で、各大学が軒並み新学期の授業スタート延期を発表して、流石にこのまま更に一ヶ月もただ遊び続けるのはまずいかも。。。と不安になっている方や親御さんも多いのではないでしょうか。

そこで読書はいかがでしょう?

前回「大学入学までにいま準備するべき事(1)」で、青山学院大学法学部の新入生向け推薦図書をご紹介しました。

いきなり話は飛びますが、小論文って、日頃の読書の積み重ねと、そこから得たものの見方・考え方が非常に重要ではないですか?それで管理人は子に薦められる良い本がないか、子の受験期間中、実際に自分で読んで探し続けておりました。

今回は、管理人が2019年に読んで、独特の視点を知性を与えてくれた、またそもそも読んでいてとにかく面白かった本をご紹介したいと思います。

まずはユヴァル・ノア・ハラリの本ですね。

「サピエンス全史」

この本で非常に面白い主張を、三点ご紹介しますね。

一点目、農耕文明批判。人類の歴史といえば一般的には、農耕という技術を手に入れたことによって食料を安定的に豊かに入手できるようになり、発展した社会や文化をつくる事が可能になった、と考えますよね。ところがこの本によると、人類の不幸・苦しみ・貧しさは、基本的に農耕文化に手を染めてしまったことから始まるんですね。農耕のせいで、人類は貧しくなり、飢餓の恐怖におびえるようになり、疫病で多数の犠牲が出るようになり、独裁者や戦争や搾取で大勢の人間が苦しむようになったと著者は主張します。

二点目、体力で上回るネアンデルタール人を斥けて、ホモ・サピエンスが地球の支配者になれた理由。答え=協力しあう能力が凄いから。現在はインターネットやクラウドを通して、ある目的やプロジェクトの為に、お互いを知ることもないまま数百万人もの人が協調して働いていることがあります。著者はこの協力・協調というサピエンスの能力の凄さを語り尽くします。

(注:管理人の考えでは、人類は最初からホモ・サピエンス一系統の一択です。)

三点目、科学・技術・産業が近世後期に急激に発展した理由。これは「投資」が行われるようになったおかげなのですね。「ストーン・ワールド」という、週刊少年ジャンプで連載されている、傑作コミックをご存知でしょうか。この作品の中で主人公の少年科学者「センクウ」が「マンパワー」という言葉を口癖のように使うのですね。人類が生命活動を停止した世界で最初に復活し、その後最初の仲間を得た時、「一人だと日々の糧を得るだけで一日が終わってしまう。他の人間を復活させるための研究時間が思うように取れなかった。マンパワーが増えて本当に助かるぜ」的なことを言います。その後も常にマンパワーを欲しがり、マンパワーが手に入ると大喜びで、仲間と協力して科学技術を復興し、暮らしを豊かで楽しいものに変えていきます。話が飛びましたが、近世後期に科学・技術・産業が急激に発展した理由は、「投資」が行われるようになり、科学者や技術者が科学・技術の研究・開発に専念できるようになったからだと著者は説明します。「投資」≒「マンパワー」(センクウ)ということですね。この「投資」というのは実は非常に革命的なシステムで、古代や中世には存在せず、大航海時代のスペインとポルトガルによる南アメリカ侵略により実現し、その後のヨーロッパによる南アメリカ・アフリカ・アジアの植民地化を支え続けたものである、と著者は主張します。

あ、、、「サピエンス全史」のご紹介だけで結構長くなってしまいました。。。次回は同じ著者の「ホモ・デウス」をご紹介しますね。
 
 ユヴァル・ノア・ハラリ「サピエンス全史: 文明の構造と人類の幸福」




2020/5追記:

こちらの「サピエンス全史」は人類史、もう一冊の「ホモ・デウス」は未来予想書となっています。どちらか一冊ということであれば、管理人はこちらの「サピエンス全史」をおすすめします。


今日はこのへんで。
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