大学入学までにいま準備するべき事(2)。読書のススメー2019(2)。ユヴァル・ノア・ハラリの「ホモ・デウス」
2020/03/28
前回、管理人が2019年に読んで、独特の視点を知性を与えてくれた、またそもそも読んでいてとにかく面白かった本として、ユヴァル・ノア・ハラリの「サピエンス全史」をご紹介しました。
今回はユヴァル・ノア・ハラリのもう一冊の著作をご紹介したいと思います。
「ホモ・デウス」
著者の先行作品である「サピエンス全史」が人類の起源から今日までの過去の歴史を考察したものであるのに対して、「ホモ・デウス」は人類の近未来を予想した作品になります。
著者は、人類がこれまで取り組んできた三大課題は、飢餓・戦争・疫病の三つで、これらはほとんど克服できた、あるいは管理可能なものになったと主張します。
飢餓 ー 政治がある程度安定している国々では、その年の不作・豊作に気を揉み飢饉を恐れる必要はほとんど無くなっています。
戦争 ー これは問題解決手段として開始することが極めて難しいものとなっており(アメリカでさえ、イランや北朝鮮に攻めこむことはなかなかできません)、この傾向は今後ますます進みます。
疫病 ー 近年でもエイズやエボラ出血熱などの、極めて危険な疫病が生じることはありますが、高度な医学の発達により治療法は迅速に発見され、また近代的な医療制度・施設の普及により疫病はすぐに管理され押さえ込まれます。薬の服用により発症を一生抑えられるのであれば、エイズはもはや糖尿病などの成人病のようなものです。
(注:コロナウィルスにも上記がまさに当てはまり、急速に抑制されることを望みます。)
では、人類は、あるいは国家は、今後何を目標とすべきでしょうか。それは人類のアップグレードであり、このアップグレードされた人間が「ホモ・デウス」なのです。人類のアップグレードは既に始まっており、GAFAをはじめとするシリコンバレーの超優良企業が盛んな投資や開発を行っています。今後は時価総額が世界のトップレベルになるような企業は、これら人類のアップグレードに関係する技術を開発或いは活用できる企業で占められるでしょう。というのが著者の主張でありメッセージになります。
ユヴァル・ノア・ハラリの著作を2作品ご紹介しましたが、どちらも超絶面白いです。同じ著者の作品なので、内容特にメッセージはかなり共通しており、どちらか一冊読めば十分かなという気もします。
ユヴァル・ノア・ハラリ「ホモ・デウス: テクノロジーとサピエンスの未来」
2020/5追記:
こちらの「サピエンス全史」は人類史、もう一冊の「ホモ・デウス」は未来予想書となっています。
今日はこのへんで。
それではまた…。